成年後見制の終身制撤廃へ

                         2025年6月11日 北日本新聞より

新聞記事をみた相談者から「成年後見制度が法改正され、後見人の終身制が撤廃されると聞いた。後見人をつけてもずっとみてくれないの?」と質問がありました。

今回の法制審議会び中間試案では、遺産分割を目的として成年後見制度を利用する場合など、分割協議を終えて制度利用の必要がなくなったと判断された場合に成年後見制度の利用を終了することができるようにする規定の追加が提案されたとの報道です。

後見の申し立てでは、制度利用の目的を示す必要があります。なぜ、後見を申し立てるのか。目的が、短期的な必要性に応じたものである場合、例えば、不動産を売却したいが本人が共有者の1人になっているが不動産の売却が後見の目的である場合、相続に伴う遺産分割協議で相続手続きの完了が目的である場合、などで目的を達成すれば後見終了となるものです。

意思決定が難しい本人の意思決定を支援することにある場合や、日常の財産管理、日々の生活を維持するための身上保護にある場合は、本人の判断能力が回復する以外には後見を終了する理由に該当しないものと考えられます。

なお、当NPOでは、医療により判断能力が回復した方について、後見終了の申し立てをして認められたことがあります。自分で判断できるようになった場合は、後見により本人の自由を制限することはよくないものと考えています。後見制度を必要な方に適切に、というのが、当NPOの考え方です。