成年後見制の終身制撤廃へ

                         2025年6月11日 北日本新聞より

新聞記事をみた相談者から「成年後見制度が法改正され、後見人の終身制が撤廃されると聞いた。後見人をつけてもずっとみてくれないの?」と質問がありました。

今回の法制審議会び中間試案では、遺産分割を目的として成年後見制度を利用する場合など、分割協議を終えて制度利用の必要がなくなったと判断された場合に成年後見制度の利用を終了することができるようにする規定の追加が提案されたとの報道です。

後見の申し立てでは、制度利用の目的を示す必要があります。なぜ、後見を申し立てるのか。目的が、短期的な必要性に応じたものである場合、例えば、不動産を売却したいが本人が共有者の1人になっているが不動産の売却が後見の目的である場合、相続に伴う遺産分割協議で相続手続きの完了が目的である場合、などで目的を達成すれば後見終了となるものです。

意思決定が難しい本人の意思決定を支援することにある場合や、日常の財産管理、日々の生活を維持するための身上保護にある場合は、本人の判断能力が回復する以外には後見を終了する理由に該当しないものと考えられます。

なお、当NPOでは、医療により判断能力が回復した方について、後見終了の申し立てをして認められたことがあります。自分で判断できるようになった場合は、後見により本人の自由を制限することはよくないものと考えています。後見制度を必要な方に適切に、というのが、当NPOの考え方です。

高齢者がトラブルに巻き込まれている「リースバック」とは?

                               2025年5月13日 日本経済新聞より

持ち家の売却後に賃貸で住み続ける「リースバック」を巡り、高齢者が巻き込まれる消費者トラブルが急増しています。

リースバックは引っ越しすることなくご自宅売却後も賃貸で住み続けることができる上、住宅ローンや固定資産税が不要となるため、老後の生活資金を確保できる手段として高齢世代の関心を集めていました。

しかし、定期借家契約を結んだ場合を結んだ場合、更新が可能な普通借家契約と異なり通常2~3年の期間満了後は退居しなければならないため、新たな賃貸物件を探しが必要となり、長く住み続けたい場合には適さないのが実情と言われています。

「契約内容をよく理解していないままにサインをしてしまった」という声も多く聞かれています。

高齢者にとっては、契約書の内容を理解することは難しく、特に今回のリースバックのような新しいサービスの契約をする際には注意が必要だと言えます。

成年後見人にとって、持ち家などの財産の管理、施設入所や介護・福祉サービスの契約、施設入所後の空き家の管理等、ご本人の生活の拠点を確保し安定した生活を目指すことは重要な使命の1つです。

高齢者からこういったトラブルを防ぐためにも、成年後見制度は有効だと考えています。

富山県内の施設での虐待事件のニュースについて

非常に残念なことですが、全国の施設や病院での入所者への虐待事件が後を絶ちません。  富山県の介護医療院で職員による高齢者への暴力・暴言があったことが報道されました。                                           富山県内でこのような事件が起こると、急に身近な感じがして身につまされます。

また、【下段】のように富山県内での障害者に対する虐待件数の報道もありました。相談支援専門員や福祉施設職員からの相談・通報が最も多いということです。
当NPO法人では、定期的に入所施設や病院でご本人の様子を確認し、ケアマネさんなど直接ご本人のお世話をされている方からもお話を伺って、ご本人に穏やかな毎日を過ごしていただけるように努めています。

                                    2024.12.26 北日本新聞より

                  

                                    2024.12.26 北日本新聞

富山県で震度4の地震が発生

 2024年11月26日午後10時47分頃、石川県能登地方で震度5弱の地震が発生し、富山県でも震度4を観測しました。

 翌27日には、在宅の方はご本人に、入所されている方は施設にご連絡し、ご本人の安否、ご自宅や施設の被害の有無を確認しました。                                        

「寝ている時に地震が起きて怖かった」                           「寝ていて気付かなかった」                                「地震が起きた後なかなか寝れなかった」                       「大きく揺れたけど、今回は何も被害がなかった」  

などの不安な気持ちをお聞きしましたが、まずは皆さんのご無事を確認できて安心いたしました。

 

 1月1日に能登半島地震が発生した際は、3日以内にすべての方の安否が確認できましたが、これも施設の方々が速やかに地震対応していただいたお陰です。また、初めての大きな地震を体験し、改めて備えの大切さを実感しました。

 当NPO法人では、祝祭日に災害が発生しても、皆さんの安全無事を確認し、もし被害が発生した場合に成年後見人として何ができるか、検討を続けていきます。

成年後見制度利用支援事業 について

 厚生労働省に「成年後見制度利用促進専門家会議」が設置されていて、2021年8月23日の第10回会議では、各市町村でバラバラになっている後見報酬に対する助成について、「全国どこでも後見人が一定の基準に基づいた報酬を受けられるよう助成制度を見直すべき」との意見が出ました。

<申立費用>
 成年後見制度の利用でまずハードルになるのが申立費用です。
 申立費用の負担ができない場合、成年後見の利用環境が整っているのに申立てができないケースがあります。

<後見報酬>
 後見報酬は実際、かけた労力・費用と報酬がきちんと対応していません。
 そもそも後見業務で行うべき事務が明確化されておらず、かつ、周辺事務や作業は評価が低い(もしくは評価されない)ため、熱心に被後見人の”世話”をする後見人ほど多くの時間を費やして低い報酬を受け取ることになりがちです。
 報酬は基本的に本人(被後見人)の財産の中から支払われるため、十分な財産のない方の場合、後見の引き受け手が見つからない可能性があります。そうなると、なんとか申立てできたとしても、後見の利用ができない状態になってしまいます。

 なお、富山市では「成年後見制度利用支援事業」として助成制度を設けています。
 身寄りがない方でも経済的に困窮している方でも申し立てを行うことができるよう、一定の条件のもとで富山市の助成が受けられます。
 助成制度の利用については富山市の担当部署で丁寧に教えていただけますが、実際の利用に当たってわからないことなどがあれば、当NPOにご相談ください。

 今後も会議は重ねられていくものと思われますが、成年後見制度がもっと利用しやすく改善されていくことを切に願っています。

以下、福祉新聞HPより引用(https://www.fukushishimbun.co.jp/topics/26376)

成年後見制度の助成制度に見直し論が浮上 厚労省の専門家会議

8/31(火) 10:02配信

 意思能力の低下した認知症高齢者や知的障害者らの権利行使を支える成年後見制度に関連し、申し立て費用などの助成制度を見直すよう求める意見が8月23日、「成年後見制度利用促進専門家会議」(座長=大森彌・東京大名誉教授)で浮上した。
 現在、助成条件や額が市町村によって異なっており、被後見人が転居した場合に支障が出る例もある。委員の一人、伊東香織・岡山県倉敷市長は「全国どこでも後見人が一定の基準に基づいた報酬を受けられるよう助成制度を見直すべきだ」と話した。
 同会議は7月末、成年後見制度を含む権利擁護を「地域共生社会の実現に向けた活動」と位置付ける中間報告をまとめた。
 社会福祉法人や所定の研修を受けた市民など多様な主体が後見人になることを想定。助け合いの要素を強める方向性を打ち出したが、無償や低額での互助に依存することへの異論もある。
 伊東市長は「今後、多様な主体が後見人として活動できる環境を整備するためにも、被後見人の資力の有無に関わらず、安心して利用できる制度にすべきだ」と訴えた。
 中村健治北海道社会福祉協議会事務局長も「低所得者も安心して利用できるための費用助成の拡充、スポット的な成年後見制度の利用などを検討していただきたい」と主張した。  また、福祉サービスの利用援助、預金の出し入れや見守り活動を含む「日常生活自立支援事業」については、現在、市町村行政が関与する仕組みになっていないことを問題視。例えば、同事業から成年後見制度に移るケースについては、都道府県社協の審査会ではなく市町村が検討することが有効だとした。
 同会議は2022年度からの国の成年後見制度利用促進計画に反映させるため、年内に最終報告をまとめる。後見人が受け取る報酬の考え方も論点になっていて、9月29日のワーキングチームで議論する。
 報酬の額は現在、後見人が実施した事務をもとに、家裁が後から決めている。月に2万~3万円が相場とされる。報酬算定の根拠が不明確だとの批判もかねて上がっていた。